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坂本龍一 | 音を視る 時を聴く 〜2025/3/30 _ 東京都現代美術館


「坂本龍一|音を視る 時を聴く」展 ポスタービジュアル


東京都現代美術館にて、このたび音楽家・アーティスト、坂本龍一(1952-2023)の大型インスタレーション作品を包括的に紹介する、日本では初となる最大規模の個展「坂本龍一|音を視る時を聴く」が開催されます。坂本は50年以上に渡り、多彩な表現活動を通して、時代の先端を常に切りひらいてきました。90年代からはマルチメディアを駆使したライブパフォーマンスを展開し、さらに2000年代以降は、さまざまなアーティストとの協働を通して、音を展示空間に立体的に設置する試みを積極的に思考、実践しました。本展では、生前坂本が東京都現代美術館のために遺した展覧会構想を軸に、坂本の創作活動における長年の関心事であった音と時間をテーマに、未発表の新作と、これまでの代表作から成る没入型・体感型サウンド・インスタレーション作品10点あまりを、美術館屋内外の空間にダイナミックに構成・展開します。これらの作品を通して坂本の先駆的・実験的な創作活動の軌跡をたどり、この類稀なアーティストの新しい一面を広く紹介いたします。坂本龍一の「音を視る、時を聴く」ことは、鑑賞者の目と耳を開きながら、心を揺さぶり、従来の音楽鑑賞や美術鑑賞とは異なる体験を生み出します。坂本が追求し続けた「音を空間に設置する」という芸術的挑戦と、「時間とは何か」という深い問いかけは、時代や空間を超えて、私たちに新たな視座をもたらし、創造と体験の地平を開き続けてくれることでしょう。

 




坂本龍一+高谷史郎
両氏のコラボレーションによる作品5点が展示されます。坂本が2011年の東日本大震災の津波で被災した宮城県農業高等学校のピアノに出会い、それを「自然によって調律されたピアノ」と捉え作品化した《IS YOUR TIME》(2017/2024)。大自然の営みによって一つのモノに還ったピアノが世界各地の地震データを使って、地球を鳴動する装置として生まれ変わります。坂本と高谷のインスタレーションには水や霧が重要な要素として繰り返し登場します。2007年に発表された代表作《LIFE–fluid,invisible,inaudible...》(2007)は、坂本のオペラ『LIFE』(1999)をベースとするサウンドに包まれた空間に、頭上に浮かんだ9つの水槽が明滅する中を、庭を散策するようにしばし佇みながら、ゆっくりと歩み、従来のリニアな体験とは異なる時空間の拡がりと流れを体感できるインスタレーション作品です。《water state 1》(2013)、そして本展にあわせて制作された《async–immersion tokyo》《TIME TIME》(いずれも2024)も展示されます。



坂本龍一 with 高谷史郎《IS YOUR TIME》2017/2023 年 「Ryuichi Sakamoto | SOUND AND TIME」展示風景、成都木木美術館(人民公園館)、2023 年 画像提供:成都木木美術館



坂本龍一+高谷史郎《LIFE–fluid, invisible, inaudible...》2007/2023 年「Ryuichi Sakamoto | SOUND AND TIME」展示風景、成都木木美術館(人民公園館)、2023 年 画像提供:成都木木美術館



坂本龍一+高谷史郎《async–immersion 2023》2023 年 「AMBIENT KYOTO 2023」展示風景、京都新聞ビル地下1階、2023 年 Photo by Satoshi Nagare


「async」シリーズ
坂本は、2017年にリリースされたアルバム『async』をきっかけに、同アルバムを「立体的に聴かせる」ことを意図し、Zakkubalan、アピチャッポン・ウィーラセタクン、高谷史郎らとインスタレーション作品を制作しました。Zakkubalanとのコラボレーション作品《async–volume》(2017)は、『async』制作のために坂本が多くの時間を過ごしたニューヨークのスタジオやリビング、庭などの断片的な映像が、それぞれの場所の環境音とアルバム楽曲の音素材をミックスしたサウンドとともに一つのインスタレーションとして構成された作品です。24台のiPhoneとiPadが壁に配され、鑑賞者は世界に開かれたたくさんの“小さな光る窓”を通して坂本の内面を覗き込むような、あたかも胎内にいるような感覚に囚われます。



坂本龍一+Zakkubalan《async–volume》2017 年 「Ryuichi Sakamoto | SOUND AND TIME」展示風景、成都 木木美術館(人民公園館)、2023 年 画像提供:成都木木美術館


タイの映画監督・アーティスト、アピチャッポン・ウィーラセタクンとのコラボレーション作品《async–first light》(2017)において、坂本は「Disintegration」「Life,Life」の2曲を映像用にアレンジしました。「デジタルハリネズミ」と呼ばれる小型カメラを親しい人たちに渡して撮影してもらった映像で構成された本作は、解像度が低く粗い画面に独特の温かみのある色味でそれぞれの私的な日常が切り取られています。音楽を空間に立体的に設置する「設置音楽」のコンセプトに沿って、アルバム『async』の楽曲を使ったいくつかのインスタレーション作品を制作している坂本と高谷。《async–immersion tokyo》(2024)は、坂本の没後にこれまでの「async」シリーズを深化させた形でAMBIENT KYOTO 2023で発表した大型インスタレーションを東京都現代美術館の展示空間にあわせて再構成する新作です。



坂本龍一+アピチャッポン・ウィーラセタクン 《async–first light》2017 年「Ryuichi Sakamoto | SOUND AND TIME」展示風景、成都木木美術館(人民公園館)、2023 年 画像提供:成都木木美術館

 


坂本龍一+真鍋大度
真鍋大度とのコラボレーション《センシング・ストリームズ2024–不可視、不可聴(MOT version)》は、携帯電話、WiFi、ラジオなどで使用されている電磁波という人間が知覚できない「流れ(ストリーム)」を一種の生態系と捉えた作品です。今回の展示のために屋外に16mに渡って延びる帯状のLEDディスプレイを用い、常に変貌を遂げる東京という大都市の目に見えないインフラの姿を映像と音で描き出します。



坂本龍一+真鍋大度《Sensing Streams 2021–invisible, inaudible》2021年 「seeing sound, hearing time」展示風景、木木美術館(銭糧胡同館)、北京、2021年 画像提供:M WOODS photography team

 


スペシャル・コラボレーション
1970年に大阪万博のペプシ館を水を使った人工の霧で覆った「霧の彫刻」で知られ、世界各地で霧のプロジェクトを実施している中谷芙二子とのスペシャル・コラボレーション。坂本龍一+中谷芙二子+高谷史郎《LIFE–WELL TOKYO》霧の彫刻 #47662は、東京都現代美術館屋外のサンクンガーデンを使って、霧と光と音が一体となった、自然への敬愛や畏怖の念を想起させるような夢幻のシンフォニーを奏でます。



中谷芙二子《ロンドンフォグ》霧パフォーマンス #03779、2017 年「BMW Tate Live Exhibition: Ten Days Six Nights」展示風景、テート・モダン、 ロンドン、英国 コラボレーション:田中泯(ダンス)、高谷史郎(照明)、坂本龍一(音楽) 撮影:越田乃梨子

 

プロフィール
 



Photo by Neo Sora ©2017 Kab Inc.



坂本龍一 (SAKAMOTO Ryuichi/音楽家)

1952年、東京都生まれ。1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年「Yellow Magic Orchestra」結成に参加し、1983年の散開後も多方面で活躍。映画『戦場のメリークリスマス』(83年)の音楽では英国アカデミー賞、映画『ラストエンペラー』の音楽ではアカデミーオリジナル音楽作曲賞、グラミー賞、他を受賞。環境や平和問題への取り組みも多く、森林保全団体「more trees」を創設。また「東北ユースオーケストラ」を立ち上げるなど音楽を通じた東北地方太平洋沖地震被災者支援活動も行った。1980年代から2000年代を通じて、多くの展覧会や大型メディア映像イベントに参画、2013年山口情報芸術センター(YCAM)アーティスティックディレクター、2014年札幌国際芸術祭ゲストディレクターを務める。2018年piknic/ソウル、2021年 M WOODS/北京、2023年 M WOODS/成都での大規模インスタレーション展示、また没後も最新のMR作品「KAGAMI」がニューヨーク、マンチェスター、ロンドン、他を巡回するなど、アート界への積極的な越境は今も続いている。2023年3月28日、71歳で逝去。

 

坂本龍一 | 音を視る 時を聴く
 

会 期 │ 2024 年 12 月 21 日(土)– 2025 年 3 月 30 日(日)
開館時間 │ 10:00−18:00(展示室入場は閉館の 30 分前まで)
休館日 │ 月曜日(1 月 13 日、2 月 24 日は開館)、12 月 28 日–1 月 1 日、1 月 14 日、 2 月 25 日
会 場 │ 東京都現代美術館 企画展示室 1F/B2F ほか(東京都江東区三好 4-1-1)
観 覧 料 │ 一般 2,400 円/大学生・専門学校生・65 歳以上 1,700 円/中高生 960 円 小学生以下無料
主 催 │ 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館、朝日新聞社、テレビ朝日
協 賛 │ カカクコム、デジタルガレージ、東邦レオ、NISSHA、ニューバランスジャパン、 山田養蜂場
特別協力 │ KAB Inc.、KAB America Inc.、ダムタイプオフィス、 エイベックス・エンタテインメント、ケィ・ガレージ、タケナカ、東邦レオ、 ホットスタッフプロモーション、ユニクロ
協 力 │ J-WAVE
助 成 │ 文化庁・令和6年度我が国アートのグローバル展開推進事業
機材特別協力 │ イースタンサウンドファクトリー
技術協力 │ ヘキサゴンジャパン
機材協力 │ アートウィズ、カラーキネティクス・ジャパン、ブリックス
お問合せ │ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト │ https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/RS/