時代に即した南部鉄器の在り方を探求し続ける釜定は、本年で創業115周年。

designshopはこれまで25年に渡り、3回の展示会、書籍「南部鉄器のある暮らし」の企画を通じて釜定の鉄器をご紹介して参りました。

本展は、釜定代表・宮伸穂氏が長年関心を抱く自然界の神秘的なかたち「結晶」と「あかり」の2つのテーマで、南部鉄器の新たな造形をご紹介いたします。

鉄の顕微鏡画像から「結晶」をモチーフにした新作まで、南部鉄器をミクロな視点から捉え直します。そして、行灯、燭台、ペンダントランプまで、南部鉄器のあかりを巡る展示を行います。今回、東京会場designshopでは新作の展示、岩手盛岡会場の釜定では新作以外と普段は非公開のアトリエでの特別展示を行います。新たな南部鉄器の魅力を感じていただける機会となれば幸いです。

また、designshopのある麻布界隈には旧南部藩（盛岡藩）下屋敷のあった現有栖川宮記念公園と共に「南部坂」「盛岡町交番」など岩手に所縁のある地名が残ります。ご来場の折に足をのばしてみてはいかがでしょうか。

釜定｜KAMASADA(Photo ©koji sugawara)
 

盛岡の南部鉄器は、歴代の南部藩主が鋳物師や釜師を召しかかえ、盛岡城下に住まわせたことが始まりと言われています。良質な原材料に恵まれたことに加え、藩が保護育成に努めたことで発展し、以来400年の歴史を刻んできました。南部鉄器は岩手県を代表する伝統工芸品のひとつで、世界的にも注目を集めています。釜定は1908年 明治41年に盛岡市紺屋町にて「宮鉄瓶店」として創業し、本年で115年、南部鉄器を作り続けています。宮定吉、宮昌太郎、宮伸穂と三代にわたり、昔ながらの製法を守りながら、現代の生活になじむモダンデザインの南部鉄器をつくり続け、岩手、そして日本の伝統文化を支え続けています。

宮伸穂 / Nobuho Miya (Photo ©koji sugawara)
 

釜定代表の宮伸穂は金沢美術工芸大学、東京芸術大学大学院へと進み、作品制作と平行して素材についての研究も深める。和銑による釜の制作や、A.D.I（超強靭鋳物製造）の特許取得など、伝統技術を継承しつつも現代感覚を取り入れ、生活の道具としての鉄器づくりを目指す。ヴィクトリア＆アルバート博物館（英国）やメトロポリタン美術館（米国）、ミラノ・サローネへの出品、ストックホルムでの個展など海外での活動も多く、数々の賞を受賞。また、国内でも国宝中尊寺金色堂の修理および制作、岩手県卓越技術者表彰、伝統工芸士認定と活躍。機能を見極め、極限にまでそぎ落としたかたちに円熟の技が光る。

釜定 南部鉄器あかりと結晶のかたち展
−KAMASADA NANBU IRONWARE FORMS OF LIGHT AND CRYSTAL−

●東京会場　designshop azabu 22023年9月28日(Thu)〜11月5日(Sun) 11:00-19:00（土日祝/11:00〜17:00）
＊釜定代表　宮伸穂氏　在廊日　2023/11/2(木)13〜17時、2023/11/3(金・祝)　11〜17時

東京都港区南麻布2-1-17 白ビル1F
tel : 03-5791-9790

●盛岡会場　釜定本店 2023年9月28日(Thu)〜11月5日(Sun) 9:00-17:30[日休]

岩手県盛岡市紺屋町2-5
tel : 019-622-3911
 

主催 : 南部鉄器 釜定展実行委員会
協力 : 株式会社ワイ・エス・エム、株式会社はやの意匠、トラベル・リンク株式会社、有限会社鹿目デザイン事務所、Eastern Kaffe Trade、白ビル実行委員会
後援 : 盛岡市、岩手県、東京都港区
助成 : 公益財団法人全国税理士共栄会文化財団
 

▲岩手 盛岡 南部鉄器「釜定」＋巨匠建築ツアー ご予約フォーム
http://travel-link.jp/archives/26729
 

※展示会の新作アイテムは会期後に販売予定となっております